
タダラフィル
化学式 C22H19N3O4
厚生労働省やアメリカFDAなど世界の国家機関により、認可を受けた成分
「シアリス」は日本では「バイアグラ」、「レビトラ」に続いて認可された、第3のED治療薬です。製造元はアメリカの大手医療メーカー「イーライリリー社」です。世界的には2003年の発売で、日本では2007年7月31日に認可されました。
シアリスの特筆すべき点として、
などが挙げられます。効果面はもちろんのこと、副作用の面においても、他のED治療薬よりも優れているのはシアリスのメリットと言えるでしょう。
日本ではED治療薬と言えば「バイアグラ」のイメージがとても強いですが、発売開始から10年が経った2013年上半期に「シアリス」はED治療薬の全世界シェアで42%を占め、世界で一番売れているED治療薬となりました。日本国内では、「イーライリリー社」が直接販売しておらず、「日本新薬株式会社」が代行で販売を行っています。
タダラフィル
化学式 C22H19N3O4
厚生労働省やアメリカFDAなど世界の国家機関により、認可を受けた成分
「シアリス」の有効成分はタダラフィル(tadalafil)と呼ばれる成分です。タダラフィルの作用は他のED治療薬と同じく、血流を良くして勃起を促す環状グアノシン一リン酸(cGMP)を代謝してしまう酵素ホスホジエステラーゼ タイプ5(PDE5)を選択的に阻害し、陰茎組織への血流を増加させることにより勃起を手助けします。
シアリスの特徴は、構造がブロック構造になっており、他のED治療薬と比べるとゆっくりと吸収されて、ゆっくりと代謝されることにより、長時間の効果が期待できます。個人差はありますが一般的には24時間から36時間の効果が期待できるため、一回の服用で週末をカバーすることから「ウイークエンドピル」と言った呼び方もされます。
タダラフィルはED治療のほかに肺動脈性高血圧症や前立腺肥大の治療薬としても違う薬剤名で使用されます。
シアリスが長時間持続する理由は、シアリスの有効成分「タダラフィル」の化学構造によるものです。バイアグラやレビトラと違い化学構造式がブロック状となっているため、身体への吸収や分解に時間が掛かります。そのため、効果が現れるまでに比較的時間が掛かり、効果時間が36時間と長くなります。
投与量 (mg) |
n | AUC 0-∞ (μg・h/L) |
Cmax (μg/L) |
Tmax 注) (h) |
T 1/2 (h) |
---|---|---|---|---|---|
10mg | 23 | 3319(32.5) | 174(26.5) | 3.00(0.500~4.00) | 14.2(19.9) |
20mg | 24 | 5825(23.2) | 292(26.1) | 3.00(1.00~4.03) | 14.2(19.9) |
投与量 (mg) |
10mg | 20mg |
---|---|---|
n | 23 | 24 |
AUC 0-∞ (μg・h/L) |
3319 (32.5) |
5825 (23.2) |
Cmax (μg/L) |
174 (26.5) |
292 (26.1) |
Tmax 注) (h) |
3.00 (0.500~4.00) |
3.00 (1.00~4.03) |
>T 1/2 (h) |
14.2 (19.9) |
14.2 (19.9) |
健康成人にタダラフィル10mg、20mgを単回経口投与したときのタダラフィル血漿中濃度
幾何平均値(変動係数%)
注)中央値(範囲)
健康成人にタダラフィル10mg、20mgを単回投与したときの血漿中タダラフィル濃度推移
投与量 (mg) |
n | AUC 注1) (μg・h/L) |
Cmax (μg/L) |
Tmax 注2) (h) |
T 1/2 (h) |
---|---|---|---|---|---|
1日目 | 18 | 4478(14.9) | 339(16.3) | 3.00(1.00~4.00) | - |
10日目 | 17 | 6430 注3)(18.7) | 461 注4)(18.4) | 3.00(2.00~4.00) | 14.5(17.9) |
投与量 (mg) |
1日目 | 10日目 |
---|---|---|
n | 18 | 17 |
AUC 注1) (μg・h/L) |
4478 (14.9) |
6430 注3) (18.7) |
Cmax (μg/L) |
339 (16.3) |
461 注4) (18.4) |
Tmax 注2) (h) |
3.00 (1.00~4.00) |
3.00 (2.00~4.00) |
T 1/2 (h) |
- | 14.5 (17.9) |
健康成人にタダラフィル20mgを1日1回10日間反復投与したときの血漿中タダラフィル濃度より算出した薬物動態パラメータ
幾何平均値(変動係数%)
注1)投与間隔間(24時間)での血漿中薬物濃度下面積
注2)中央値(範囲)
注3)定常状態における投与間隔間(24時間)での血漿中薬物濃度下面積
注4)定常状態における最高血漿中薬物濃度
シアリスの特徴である36時間の効果時間を説明すると「そんなに効いてなくていいんだけど・・・」と言う人が多いですが、この効果時間の間にずっと強制的に勃起しているわけではありません。効果時間中は薬の成分により、陰茎周りの血管が拡張しているため、普段よりも血流量が多くなるため性的刺激に反応し易くなります。また、代表的なEDの症状である中折れに関しても防止し易くなります。
シアリスの効果時間によるメリットと言えば、性行為のタイミングをそんなに意識せずに服用することが可能です。バイアグラやレビトラは比較的効果時間が短いため、性行為のタイミングを見計らって服用する必要がありますが、シアリスは性行為のタイミングを気にせずに事前に服用しておけばカバーする時間が長いため神経質になることなく使用が可能です。旅行やデートで宿泊が予定される場合にも効果時間が長いため有効です。シアリスは24時間以上効果が持続しますが、シアリスの服用は24時間以上間隔を空ければ問題ありませんので、効果を切らさずに維持することも可能です。また、ゆっくり効いてきて、ゆっくり代謝されるために身体に対する変化が緩慢に現れます。バイアグラやレビトラなどの様に早く吸収されて、早く代謝される薬よりも変化が少ないため、副作用の発症頻度も低いといわれています。
日本国内では2007年に第3のED治療薬としてリリースされたのが「シアリス」です。世界的には2003年にバイアグラ、レビトラを追ってリリースされました。日本国内では現在でも知名度はバイアグラが群を抜いていますが、世界的には2013年にはシアリスがトップシェアになり、世界で一番使われているED治療薬になりました。
当院でも
等が好評で処方の4割弱をシアリスが占めます。シアリスの使用については、ED治療薬の中では併用禁忌薬が一番少なく、比較的使い易い治療薬と言えます。シアリスの処方の条件としては、異常な高血圧、低血圧(血圧の収縮期が170~90の範囲内)がなく、併用禁忌薬(ニトログリセリンなどの硝酸剤)の処方を受けていない、大きな循環器系の疾病や薬剤の代謝経路である腎肝機能に問題が無ければ殆どのケースで処方が可能です。心配される方が多いですが、高血圧や糖尿病、高脂血症、抗尿酸血症の治療薬で併用禁忌のものは基本的にはありません。健康状態に問題がある場合を除けば、高齢を理由に処方できないこともありません。
シアリスの使用に注意が必要な方は、不整脈を初めとする循環器の治療をされている方や、心筋梗塞や脳梗塞、脳出血の既往がある方、胃潰瘍などの出血性の疾病の治療中の方、運動に制限がかけられている方などです。そういった方は現在の健康状態をよくわかっている主治医にED治療薬の服用に問題が無いかを確認の上で御来院いただくことをお薦めいたします。
※画像をクリックすると拡大表示されます
男性は五感から性的刺激を受けると、陰茎へ血液を送れという命令を脳から出し、陰茎周りの血管が広がり、血液が陰茎に満たされることで勃起が成立します。そういった働きに大きな関係のある血管や神経に障害が起こる疾病により、ED症状が引き起こされる場合がありますが、いずれもED治療薬三種による勃起の助けが期待できます。
ED治療薬にはそれぞれ特徴があります。シアリスの特徴は比較的ゆっくりと時間を掛けて吸収され、ゆっくりと代謝されることと、脂分も含め食事の影響を受けにくいことが挙げられます。シアリスは食べ物により吸収が阻害されて効果が弱くなることは起こりにくいため、服用するタイミングに気をつけて服用されれば、比較的使い易い治療薬と言えます。
シアリスは基本的には陰茎周りの血管を拡張させて、陰茎への血流を良くすることにより、効果を期待する治療薬です。そして、肝臓でCYP3A4と言う酵素により代謝されていきます。そのため、併用に注意が必要な治療薬はシアリスの血管拡張効果を助長してしまう、もしくはシアリスの代謝を阻害してしまうものに注意が必要です。
血管拡張効果を助長してしまう薬剤 |
|
---|---|
代謝を阻害してしまう薬剤 |
|
狭心症のニトロ系(硝酸剤)の治療薬を服用している方や、治療による管理のされていない不整脈の方、6カ月以内に脳梗塞、脳出血、心筋梗塞の既往歴のある方など、シアリスの処方ができない方もいらっしゃいます。服用される前にご自身に当てはまる項目がないかを下記のページで必ずご確認下さい。
上記の「シアリスを服用できない方」でも触れましたが、狭心症のニトロ系(硝酸剤)の治療薬など一緒に服用すると危険なお薬がございます。ED治療薬以外に他の医療機関でお薬を処方されている方は、服用の前に必ず下記のページをご確認下さい。
世界でトップシェアのシアリスが故に偽造薬も大変多くなっております。偽造薬は劣悪な環境で製造されることも多く、粗悪なものが多く見受けられます。インターネットなどでの個人輸入で被害が多く見受けられますが、海外では、薬局などでも偽造薬を扱うケースもあるため安心できません。
シアリスの服用にあたり起こりやすい副作用としては、頭痛、紅潮、ほてり等、軽微な症状がほとんどであるのが一般的です。発症頻度も投与例全体の3割未満と低いため、深刻な心配は必要ないと考えられます。
重篤な症例に至ってはさらに発生頻度が低く(0.2%未満)、服用者のもともとの健康状態や持病が関連している場合も多いため、シアリス服用を主原因に断定するのは困難です。シアリスの服用にあたり副作用が心配であると考える方は是非ご覧ください。
また、万が一の場合の対処法なども同時に確認しておくと、より安全にシアリスをご使用いただけると思います。
初診か再診を選び、下記カレンダーよりご希望来院日をご指定ください。
※当日予約は19:00まで受付可。
EDのお悩みがあれば、ぜひ一度ご相談下さい。
診療時間内なら、30分以内に返信致します。